この記事では二次小説投稿サイト「ハーメルン」に投稿された小説からおすすめの二次創作(SS)を紹介する。
ハーメルンでは日夜数多くの二次創作が投稿されている。日間ランキングは毎日のようにいれかわり、自分好みのおもしろい作品にありつける回数は決して多くない。
そこで私がこれまで6年以上読んできたハーメルンの二次小説のなかで、「これはおもしろい!」と思った作品を紹介したい。
すべて実際に読んだ作品で、どんなベクトルであれ心動かされたSSを紹介する。紹介した作品のなかから一つでもあなた好みの作品が見つかれば幸いである。
17の原作から、44作品を紹介している。多すぎて読む時間がないという人は44作品のなかから、私が独断と偏見で最高だと感じる作品を5つピックアップしたので参考にしてほしい。
それでは、どうぞ。
目次
ハリー・ポッターシリーズSS 7作品
Game of Vampire
(作者:のみみず)
東方シリーズのレミリア・スカーレットと紅魔館の面々が、ハリー・ポッターの世界に最初から住んでいたらという物語。ハリー・ポッターに登場する吸血鬼とは似て非なるものとして、彼女たちは魔法界にどのような影響をあたえていくのか。
人間の価値観とあいいれているようで、離れてみるとそうではないような絶妙な雰囲気に魅せられる。永く生きる吸血鬼らしく、ゲラート・グリンデルバルドをお子様扱いするレミリアの従兄弟様がかっこいい。
ハリー・ポッターシリーズに東方の紅魔館が存在する物語。ハリー・ポッターシリーズを知っていれば、東方シリーズをそこまで知らなくても楽しめる。人と人外の交わりにロマンを感じる人にぜひすすめたい作品。現在も更新中!
私は誰でしょう?
(作者:岩心)
ハリーポッターと秘密の部屋に登場する、あの名物教師に転生した主人公が本物になる話。彼の名前は…
軽快な文章で語られる主人公の語り口が魅力的。もしかしたら本当にこんな彼もありえたんじゃないかと考えると楽しくなってくる。その男ぶりにほれちゃいそう。
ハリーポッターを知っているすべての人におすすめしたい作品。TSや鬱展開のような人を選ぶ要素もないので、安心してもう1つのハリーポッターの世界を楽しめる。二次創作にはめずらしく切りのよいところで終わっているので読後感もすっとしていい気分だ。
ダリアの歌わない魔法
(作者:あんぬ)
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作「クレストマンシーシリーズ」のダリアがひょんなことからホグワーツに通うことになる物語。2つの魔法の世界が交わる先に待っているのは?
わがまま偏屈、友達つくるのが大の苦手なダリアがホグワーツのなかで成長していく姿がいじらしい。「君はまことの友を得る」と組分け帽子に歌われたスリザリンでめぐる彼女の日常から目が話せなかった。
2つのイギリス児童ファンタジーが融合するとこんなことになるのか。クレストマンシーシリーズを知らなくても、問題なく楽しめる。むしろここからクレストマンシーシリーズに興味をひかれてしまうかも。ぜひちがう視点から語られるハリー・ポッターとクレストマンシーの世界を楽しんでほしい!
ショーン・ハーツと偉大なる創設者達
(作者:junk)
ホグワーツの偉大なる創設者たちにとりつかれた一人の男の子がホグワーツではっちゃけちゃう話。4人の力をかりながら、ハリーたちと恐るべき敵に立ち向かっていく。
原作では語られなかった4人の創設者たちがすごくいきいきしていて楽しい。実際にこんな感じでけんかしてたんだろうなっていう描写が見事。他にもキャラ崩壊しちゃうキャラ多数だが、それがおもしろい要素になっている。
原作では語られないキャラを登場させることができるのも二次創作の醍醐味。4人の創設者たちに興味がある人はぜひ読んでみては。自分ならこの寮かな、なんて考えるのもおもしろい。
夜に太陽なんて必要ない
(作者:望月(もちづき))
ハリーの親世代に転生した主人公が、原作知識があるゆえにとまどい悩み傷つきながら一人の男を恋いもとめる物語。狂おしいほどの葛藤にひたすら胸がくるしくなってしまう。
人は過去には決してもどれない。吐きだした言葉はとりかえしがつかない。わかっているはずなのに傷つけ傷ついてしまう。原作知識があることがこんなにも苦しみを生み出してしまうなんて。
主人公の恋、そして闇の魔法使いが猛威を振るう魔法界の世情がからみあい、読んでいてつらくなってしまう作品。それでもこの作品に心を震わせられる。ファンタジー世界の生々しい感情の連鎖、気になる人はぜひ。
ハリー・ポッター -Harry Must Die-
(作者:リョース)
ベリーベリーハードモードのハリー・ポッター。ダドリーが最初からボクシングチャンピオンで殴られてたり、闇の陣営が超強化されてたり、あらゆる面でハリーが死にそうでやばい。
作者はハリーを殺しにいっているのではと思うほど容赦のない展開に、すばらしくもあ然としてしまう。それによる3人組の関係性の変化や、主要メンバーの精神面での変化も興味深い。とにかくハリーがかわいそう。
1話でハリーについて衝撃の事実が明かされるがそれを乗り越えられたらおもしろく読んでいける。すらすら読める文章と対照的なきつい展開がもりだくさんなので、そこは注意。最強系ではなくスカッとするものでもないが、それさえ大丈夫ならぜひ1話を読んでみてほしい作品。不死鳥の騎士団編の途中で更新停止中。
ハリー・ポッターと野望の少女
(作者:ウルトラ長男)
原作には存在しない一人の少女がスリザリンに入るところからはじまる。野望に満ちあふれた最高の作品。
スリザリンに入りながらも純血主義とは真逆の思想を持つ少女が、理想の社会を築きあげる様に魅せられる。先がまったく読めない怒涛の展開に、読む手が止まらなくなってしまった!
エピローグまで完結済み。ハリー・ポッターの二次創作の中でいちばん魅力された作品。しかし強烈すぎるほど強烈なので、原作のイメージを壊したくない人は注意。二次創作の懐深さ、想像力にワクワクさせられる。
ヒカルの碁SS 3作品
IF GOD 【佐為があのままネット碁を続けていたら…】 完
(作者:鈴木_)
もし佐為があのままネット碁を続けていたらというIFをつづる傑作二次創作。「初心者におすすめの二次創作は?」でも書いたが、この作品との出会いが私を二次創作の世界へといざなった。それくらい大好きで思い入れのある作品。
まるで本当にあったかのように語られるヒカルと佐為の物語が愛おしい。もしあのまま続けていたらと、誰もが一度は考えたであろう続きを味わうことができる。
ヒカルの碁を読んだことのある人すべてにおすすめしたい作品。読んだことのない人も原作の漫画を読んで、こちらも読んでほしいと思うほど。この作品に出会えて幸せだ。
遥か高みへいる君へ
(作者:鈴木_)
とてもきれいな短編SS。本因坊を獲得したヒカルが本因坊秀策のお墓の前で語る二人が生きた証。
涙ぐみ鳥肌がたったのはこのお話がはじめてのこと。上の作品と同じ作者さんが書かれているが、どうしてこうも心の真ん中に響くのか。
短編ですぐに読めるるが、ぐっとくる物語。ヒカルの碁を知らないとよくわからないかもしれない。短編の妙を目の当たりにした。
河原の囲碁
(作者:西風 そら)
桑原本因坊の孫というまたちょっと変わった視点から、ヒカルの碁の世界を堪能できる作品。原作で描かれなかったさりげない日常のベールを明るみに出してくれたよう。
絵描きである彼女が、そっと囲碁によりそう距離感がすてき。
11話完結済み。原作の雰囲気をこわさず、作者さんの雰囲気をまとわせているのが見事。心が動かされ、穏やかな気持になる。ぜひ読んでみては。
FateシリーズSS 4作品
ヘラクレスが現代日本倫理をインストールしたようです
(作者:戦国マサラ)
タイトル通りヘラクレスに現代の感覚をインストールしちゃった作品。神々と英雄がおりなすヒャッハーな世界で、周囲とは違う感覚をもつヘラクレスが生きていく。
どうしてこんなにもこのヘラクレスにひきつけられるのか。現代人の感覚というバックボーンを共有したうえで、あくまで彼はヘラクレスとして存在してることにどうしようもなくひきつけられる。
これぞ人と英雄の極地というロマンを見てみたい人に、ぜひすすめたい作品。彼の生き様に胸が高鳴ることまちがいなし。
剣狂い転生漫遊記
(作者:アキ山)
3度めの人生で、幻想が現実に侵食されるイングランドに転生してしまった主人公の話。後のアーサー王の兄として生まれ、前世の影響から剣術狂として修行ばかりしてたらいろいろ切れるようになっちまった。
一つのことを限界までつきつめるってかっこいいよねというロマンがすばらしい。迫りくる理不尽を、気づかぬ間に斬りすてちゃってたとかもうたまらない!
Fate/stay nightから最新のFate/Apocryphaまで、主人公を軸に自由に物語が展開されている。Fateシリーズの知識があるにこしたことはないが、なんとなくでも十分楽しめる。修行した先にある最強系がすきな人におすすめしたい作品。
Fate/sn×銀英伝クロスを考えてみた
(作者:白詰草)
Fate/stay nightと銀河英雄伝説のクロスオーバー作品。銀河英雄伝説のあのキャラクターが英霊として召喚されることで、聖杯戦争は急速にロジカルでとんでもない展開をむかえていく。
幻想がロジカルに駆逐されいく様を見てしまった。作者さんの妄想力というか、キャラクターの思考をトレースする力がとんでもない。こんな聖杯戦争はじめてみたぞ…。
これまで見たこともない景色を味わってみたい人にぜひおすすめしたい作品。銀河英雄伝説を知らなくても十分楽しむことができるが、召喚されるキャラの概要だけでも知っておくとさらに満喫することができるだろう。96話完結済みで安心して最後まで読める。
【完結】紅き平和の使者
(作者:雪化粧)
マクドナルドに魅了された少年が、世界平和を追いもとめたら。
ギャグなようで完成された作品。いや、やっぱりギャグ全開かもしれない。二次創作らしいはっちゃけ具合に、どこまでも原作通りの思想を希求する主人公の生き様が心うたれる。思いっきり笑え、思いっきり胸にせまる物語。
笑いと勢いを愛す人におすすめしたい作品。ありえないような組み合わせが、まったく新しい物語を生みだす瞬間を目にできるだろう。
ONE PIECE SS 4作品
桃鳥姉の生存戦略
(作者:柚木ニコ)
ドフラミンゴ家の長女に生まれてしまった主人公。迫りくる過酷な未来にあらがうも、子供の身にできることは限界がある。愛する家族を救うため、彼女はなにを選ぶのか。
ワンピースの中でも屈指のバックボーンをもつドフラミンゴ。彼に姉がいたとしたらこんな感じだったのか。怒涛の展開と、家族という関係性がみ生みだすよどみがたまらなくいたいたしい。
ドフラミンゴの姉という言葉に興味をひかれる人にぜひおすすめしたい作品。作中でファミリーになみなみならぬ想いをいだいていたドフラミンゴが目に浮かんでくる。
綺麗なまま死ねない
(作者:シーシャ)
こちらはドフラミンゴの妹として生まれてしまった彼女の物語。「桃島姉の生存戦略」では姉だったが、こちらでは妹として荒波のような人生をたおれそうになりながら生きていく。
姉が妹になるだけで、これほどまでに関係性は変わってしまうのか。家族に執着するドフラミンゴと、それがわかってしまう妹の関係がどこまでも救われない。もうひとりの兄、ロシナンテの存在が物語をかきみだしていく。
やりきれない複雑な物語が好みの人にすすめたい作品。血のつながりはときに大きな枷となる。そんな葛藤が伝わってくる作品。
とある海賊の奇妙な冒険記
(作者:解放したPNTマン)
大海賊時代にうまれた主人公がシャンクスとの出会いを機に、ワンピースを目指す物語。能力だけジョジョの奇妙な冒険のスタンドににたものが登場する。
物語は主人公の日記としてえがかれる。転生したが原作知識はなく、この世界の一員として海賊王を目指す姿がまぶしい。悪魔の実の能力も魅力的で、大将との戦いでは手に汗をにぎってしまった。
新世界編にはいってから更新がとまってしまっているが、幼少期編からあるのでそれまででもボリューム大。ある意味王道の二次創作が好きな人におすすめしたい作品。
モッ…モリアさんは最強なんやで(棒読み)
(作者:ニルドアーニ四世)
カゲカゲの実という潜在能力チートなモリアさんに憑依した男が、モリアさんはこんなもんじゃないと修行したらなんだかめちゃくちゃつよくなった語。かっこいいモリアさんが見れます。
原作では他力本願なモリアさんですが、なにかが違ったらカゲのにあうステキなモリアさんもありえたんだと思える展開がすばらしい。テンポのよい文章ですらすら読め、ワンピースの世界をより楽しむことができる。
「かっこいいモリアさん」に興味がひかれる人にぜひおすすめしたい作品。二次創作の醍醐味を味わえる。
ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えりSS 2作品
GATE:Modern Warfare
(作者:ゼミル)
GATEの二次創作の中でくりかえし読んでしまうほど夢中にさせられた作品。なんの運命のいたずらか、CoD:MW(第3時世界大戦を舞台としたFPSゲーム)特殊部隊の一員となってしまった主人公伊丹耀司が、スーパーソルジャーとなってしまった世界のゲート作品。
兵士として極限まで鍛えられているが、ファンタジーな能力なんかはない伊丹耀司。彼は門の向こうで、現代で手段を選ばず任務をはたす。オタクなのは変わらず、ただひたすら戦闘経験だけがつみかさなった伊丹耀司のアンバランスな魅力がたまらない。
涙がでるほどあついあついこの物語をぜひ。戦争と英雄、理不尽と称賛、戦場なんて望まなかった男の往く道を見届けたい。60話以上連載中。
GATE×オリ主 オリ国家
(作者:オシドリ)
ものづくりの才を与えられて異世界転移した男が、なにもないところから都市を築きあげ、死んで神となる。そしたら日本とのゲートが帝国で開き、GATEの世界に来ちゃってたことに気づく話。
はるか昔に日本人が転移して、ゲートが開き向こうの世界に日本人がいた!という設定がすばらしく好き。作者の想像力がマッハしてひとつの世界がぐんぐん広がっている感覚が癖になる。
こういうこともあろうかと、みたいな雰囲気がすきな人におすすめしたい作品。神様が国会にでるくだりとかわくわくしてしまう。
僕のヒーローアカデミアSS 3作品
超・世紀王デク
(作者:たあたん)
ただヒーローにあこがれていた少年が現実を知り、されど踏み越え己の使命をはたそうとする物語。仮面ライダーBLACKとなった少年が、ヒーローの道を歩んでいく。
ただただぐいぐい読ませてくる熱い展開に感情がかきたてられる。自分より下だとおもっていた幼馴染の口からつむがれる過酷な過去。同級生が世界を救ったヒーローであるという衝撃。これぞ特撮、これぞアメリカンな展開に心がしびれるばかりだ。
どちらの作品も好きな人にぜひ読んでみてほしい作品。胸が熱くなること間違いなし!
月香の狩人、アカデミアに立つ
(作者:C.O.)
暗闇のうちにヴィランを処理するヒーローがアカデミアに教師として赴任する。原作にはいないオリキャラがA組の副担任となることで物語は変わりゆく。
自らの仕事から教師として子供と関わることに戸惑いを覚える主人公が、求められることで少しずつ変わってゆくさまが読んでいてほほえましい。その反面求められたら容赦ないスパルタ特訓なんてとこも魅力的。
原作知識のない主人公が自らの生き方をただ受けいれ進む、ある意味王道の二次創作。教師として、ヒーローとしてたんたんと生きる様がかっこいい! ヒロアカ好きな人はぜひ。
チートそうでチートじゃない、けどあったら便利。そんな個性
(作者:八神っち)
前世では男だった女の子が”物を直す”個性とともに生まれ、ある友との出会いからヒーローを目指す物語。地味に便利な個性が、超人社会に大きな影響をもたらしていく。
物を直すことができるが、代わりに体力が必要になるというバランスと描写がよくできている。ヒーローであろうとする意思と、求められすぎる社会の声との間であたりまえのように物を直していく主人公がいたいたしくもある。
物を直す個性に興味がひかれた人はぜひ読んでみては。TS(性転換)があるが前世のことなので、そこまで気にはならない。二次創作らしいありそうでなかった個性が原作の展開に影響をあたえるのがおもしろい。
東方ProjectシリーズSS 1作品
東方遺骸王
(作者:ジェームズ・リッチマン)
はたしてこれは東方Projectの二次創作といえるのか。そんなことを言いたくなるような超絶長い作品(記事執筆時点で436話)。人間も存在しない超古代に転生したオリジナル主人公が魔法の魅力にめざめ、魔法とともに生きていくお話。
主人公の永い永い生をながーく楽しむことができる。他の作品でありがちな、あと何話で最新話にたどりついちゃうなんて心配はいっさいいらない。太古の時代のとんでもない出来事が、後の世に影響をもたらし、そこに主人公がからんでいるのを見るとにやにやしてしまう。
骨太でロマンを感じる小説が好きな人におすすめしたい作品。はまると最後、ぬけだすまで時間の感覚がおかしくなるので、まとまった時間があるときに読みはじめたい。
るろうに剣心SS 1作品
明治の向こう
(作者:畳廿畳)
明治初期、薩摩藩藩士に転生した男の激動というのも生やさしい人生をえがく。平和を、安らぎを、明治の向こうにこがれた男が目指す先とは。
ただひたすら生きるという狂気に身を任せ、まいどボロッボロになる主人公がおそろしくもかっこいい。泥臭く目に浮かんでくるような戦闘描写に喉がかわき、続きが待ちきれなかった。
原作を読んでいなくても十分楽しむことができる。生存をかけた闘争の生々しさに、目が釘付けになること間違いなし。まだ弱肉強食の香りが色濃く漂う明治に惹かれる方におすすめしたい作品。
魔法科高校の劣等生SS 3作品
始まりはなんとなくで
(作者:jmwvw)
原作主人公たちの母世代に生まれた主人公が沖縄でのある出来事を機に、四葉家に関わっていくことに。彼にとってあたりまえの行動が周囲にさまざまな影響をおこしていく。
ボーイミーツガールはいつになっても胸が熱くなってしまう。生きるか死ぬかの窮地にさっそうと現れる主人公。まるでその場にいるかのような状況描写もあいまって、すごく感情移入をしてしまった。
10話以下という短さだが、それまででもぜひ読んでみてほしい作品。主人公に好感がもて、安心して読んでいられる。ボーイミーツガール好きな人にぜひおすすめしたい。
魔法科高校の幻想紡義−旧−
(作者:空之風)
東方Projectとのクロスオーバー作品。神代より歴史と幻想を紡ぐ結代家に生まれた主人公が魔法科高校に入学したとき、紡がれる人の思いが物語を生みだしていく。
幻想と科学、正反対の2つの側面を見事にとりあつかっているのがすごい。主人公のキャラも縁結びのような懐の深さに満ちていながらどこか底の知れなさがただよっており、読んでいて楽しくなった。
”旧”とある通り、一度更新停止され”改”が執筆されている。それでもこちらのほうが多く書かれており、途中まででもぜひ読んでいてほしい作品。魔法を演出に使うなど、ありそうでなかった展開にわくわくする。
黒羽転生
(作者:NANSAN)
魔法科高校の劣等生の世界に転生した主人公が四葉家の暗部を担う黒羽家の長男に生まれ、さまざまな災難を乗り越えていく話。司波達也と深雪の同世代として第一高校に入学する。
ドライでストイックな主人公が自らの力を駆使していく様がかっこよい。仕事人のような立ちふるまいに刺激され、回を重ねるごとにおもしろくなっていった。
裏社会のかけひきが好きな人におすすめしたい作品。主人公の立ち位置がうまくはまり、説得力のある展開になっているのがすばらしい。
仮面ライダークウガSS 2作品
仮面ライダークウガ-白の執行者-【完結】
(作者:スパークリング)
記念すべき平成仮面ライダーシリーズ第1作、仮面ライダークウガの二次創作。原作には存在しない一人の未確認生命体(グロンギ)が、ある疑問をもってしまったことからはじまる熱く切ない傑作小説。
作者のクウガ愛に胸があつくなる。原作そのもの明るく信念をかけて戦う五代雄介に、社会をまきこみ人間の感情をゆさぶるグロンギ。社会派ドラマともいうべき原作はそのままに、一人のグロンギが人間に興味をもったことで物語は新たな幕を開ける。
34話というほどよい長さで完結済み。けっこう昔の作品なのである程度ふりかえってから読んだほうが楽しむことができるだろう。(作者さんが活動報告で概要を説明してくれている→グロンギ族について)仮面ライダークウガのあのシリアスな魅力と人間の深みに魅了された人はぜひ読んでみてほしい。
漫画版ズ・メビオ・ダとほのぼの暮らす話
(作者:erif tellab)
舞台は現代!ではなく超古代。まさかグロンギとほのぼのなんて語がつながるとは。現代社会からグロンギに転生しちゃった男が死なないように鍛えながらほのぼの?暮らすお話。
グロンギやめたい主人公が、迫りくるラスボスとクウガに白目になりながらその日暮らしをしているギャップがおもしろい。生意気なメビオがいい相棒になっていてクスッとしてしまう。
17話完結済み。原作ではほんの少ししか描かれなかった、生存をかけた超古代のその日暮らしがはじまる!
小説家になろうに掲載されてる「R.E.A.S.O.N./InterView」は読んでいるとクウガを強く連想される作品。こちらもぜひ。
HUNTERXHUNTER SS 3作品
そして世界は華ひらく
(作者:中嶋リョク)
ミルキ・ゾルディックにTS転生してしまった主人公がおくる特異譚。前世日本の価値観の影響から人を殺せない少女になった彼女ははたしてどんな道を歩むのか。
ハンターハンターならではの知能戦と、容赦のない展開が心臓を震わせる。弱いことは罪なのか。強くあろうすることは、人を殺すことなのか。愛され方に違いはあれど、ゾルディック家を大切に思う彼女の親愛に悲しくも怖くなる。
27話で更新停止中だがこわいものが好きな人にはぜひ読んでみてほしい作品。原作のミルキの面影はハッカースキルくらいだが、そのギャップもおもしろさの一部となっている。
どうしてこうなった?
(作者:とんぱ)
原作前に転生した主人公が修行しまくって、原作になぐりこみをかける話。ギャグとバトルが一体となって、カオスな展開となっている。
ハンターハンターの醍醐味ともいえる緻密な集団戦が見事。いろいろとぶっとんでるが、それもまた楽しい。
いわゆる主人公最強ものなので好みが分かれるかも知れないが、有無をいわさず作者のおもしろさをぶつけてくるのでぜひ読んでみてほしい。はじめはなかなか進まないのでハンター試験編まで読んでみるのがおすすめ。他の原作世界へいく「異伝編」ではNARUTOとダイの大冒険、BLEACHで大暴れしているぞ。
ちょっ、ブタくんに転生とか
(作者:留年生)
暗殺一家ゾルディック家のミルキに転生した男が、その信念から生涯不殺を宣言したら拷問のような修行がはじまちゃって命がピンチなお話。契約をはたし家を出た彼が出会った人物とは。
修業づけの日々だったのになぜか体型は原作のミルキな主人公に笑ってしまう。家をでたあとであった人物がとんでもなく、師匠との厳しくもあたたかさに満ちた修業の日々にしみじみとしてしまった。
まさかこうクロスオーバーしてくるとはと思わせる超展開がすばらしい。さくさくした文章で一気に読んでいける。試験編で更新停止してしまっているが、修行編だけでもぜひ読んでみてほしい作品。
BLEACH SS 3作品
三日月は流離う
(作者:がんめんきょうき)
破面であるノイトラ・ジルガに憑依してしまった一人の男が、仲間とともに生き残りをかけて強さを求めていく話。原作でのノイトラとのギャップにほのぼのしてしまう。
血湧き肉躍る戦闘描写と、ノイトラの心理描写がすばらしい。作者のBLEACHに対する考察がなみはずれていてぐいぐい引き込まれる。とにかくおもしろい!
ギャップ好きな人におすすめしたい作品。スタークやハリベルもかっこよくかかれていて、原作では底知れない実力をそのままに逝ってしまったスタークを、たくさん見ることができる。これもまた二次創作の魅力だ。
傲慢の秤
(作者:初(はじめ))
前世の記憶をもった少女が現世で浦原喜助にひろわれてからのお話。しかし彼女には今世での生まれてからの記憶がきれいに抜けおちていた。
原作知識があるために、まちうける悲劇から目をそらすことができない少女。自分には力が足りないと自覚していても、ただ事がすぎるのを受け入れることができないために傷ついていく姿がいたいたしくてたまらない。
オリジナルくキャラクターが原作に介入するとなると最強系が思い浮かぶが、この作品はそうではない。思い通りにならない現実にはがみしながら、彼女は進んでいく。
卍解しないと席官にもなれないらしい。
(作者:赤茄子 秋)
護廷十三隊に入った男が女性隊士にもてたいがために奮闘する物語。隊長の条件は卍解だけど、それだけではないと勘違いしてしまう。
いい意味で気軽に読める楽しい作品。主人公の勘違いがよい方向に作用していて、にやにやしながら読みすすめてしまう。無自覚のうちにどんどん強くなっていくさまが、めちゃくちゃおもしろい!
勘違い作品が好きな人におすすめしたい作品。数えるほどしか始解をしたことがないというのもロマンをくすぐられる。
NARUTO SS 2作品
同情するならチャクラくれ
(作者:あしたま )
相談役の孫うたたねヨフネに生まれた男が、少ないチャクラに四苦八苦しながら少しでもましな未来のために奮闘する。
木の葉の里にいきる一人の忍として任務をこなし、いやおうなく戦争にまきこまれていくさまがリアル。足りない力を工夫とチームワークでおぎない、前へ進んでいく姿にひきつけられる。これぞ王道という二次創作。
王道の二次創作が好きな人におすすめしたい作品。第一部のあと第二部で更新停止してしまっているが、そこまででも読める。王道が好きな人は別サイトになってしまうが千手柱間にTS転生してしまう「木の葉芽吹きて大樹為す」もおすすめ。
うちはシスイ憑依伝
(作者:EKAWARI)
うちはシスイに憑依した男がどこまでも一人ですべてを背負おうとする物語。優しい独善ほど哀しいものはないのだと切なくなる。
ここまで純粋で、つきぬけている小説は他にないんじゃないだろうか。純粋であることが必ずしも良いことであるとは限らない。無条件にささげられる木漏れ日のような愛は、ある意味ヤんでしまっているのかもしれない。
二次創作として懐の深さにあふれている。中編程度で完結済み。うちは一族と愛に興味をおさえきれない人はぜひ読んでみてほしい。イタチがTSしているので、気になる人は注意。
魔法先生ネギま!SS 3作品
麻帆良で生きた人
(作者:ARUM)
古くから麻帆良の世界樹を守護する一族の長であった人物が、〈立派な魔法使い〉の侵攻をうけ失意のうちに眠りにつく。封印から目を覚ましたとき、彼が知っている麻帆良は様変わりしていた。
理不尽のうちにすべてを奪われた一人の男が、力をたくわえ復讐するさまに目を離せなくなる。自らの目的のために境界をふみこえつつも、大切なことはずっと心にともしている姿がまぶしい。
いわゆる原作アンチなので苦手な人は注意。独自の展開やオリジナルキャラクターが多く、好みがわかれるかも。本編完結済み。
僕は麻帆良のぬらりひょん!
(作者:Amber bird)
まさかのぬらりひょんへの憑依もの。原作知識のない少年が、ボケと老衰におびえながら少しでもましな未来をつかもうと四苦八苦する。
陰謀好きのイメージしかない原作のぬらりひょんとのギャップがすごい。読む前はどうなっちゃうんだと不安だったが、そんな心配ごとふきとばしてくれるようなおもしろさだった。エヴァンジェリンがかわいすぎる。
9話完結とほどよい長さで一気に読める。タイトルからは嫌な予感しか感じないかもしれないが、ぜひ1話をのぞいてみてほしい。きっと一気に読んでしまうはずだ。
セカンド スタート
(作者:ぽぽぽ)
なんともいいがたいすてきな作品。昆虫学者であった男が、ネギまの世界に転生しあたたかく子供らしい日常をおくるお話。
キャラクターの心情をていねいにおった作者の繊細な描写に声が出なくなってしまう。ネギまというとバトルに走りがちだが、人の思いも力になるんだと主人公が教えてくれた。大好きな二次創作。
幼少期からはじまり、少しずつできていく関係性がすごい。88話完結済みで、先を気にすることなく読んでいける。おだやかだけどそれだけはない繊細な作品が好きな人にぜひおすすめしたい作品。
ドラえもんSS 1作品
ドラえもんのいないドラえもん ~超劇場版大戦 地球は何回危機に遭う~
(作者:ルルイ)
四次元ポケットをもって地球に転生した主人公。そこにドラえもん劇場版そっくりの事態が発生するが、それを解決するはずのドラえもんたちは影も形もない。21世紀の人類には早すぎる出来事を前に主人公が選ぶ道は。
ドラえもんの二次創作なのにドラえもんがまったくでない異色の二次創作。子供の頃みた劇場版ドラえもん作品が次々出てきてわくわくしてしまう。ひみつ道具をロジカルにくみあわせたらやばいだろうなとはわかっていたが、ここまでやばいとは…
ひみつ道具のとんでもなさと慎重な主人公の性格があわさって、あっけない部分もあるが他にはないチャレンジングな設定が見事。他にはない作品を読んでみたい人におすすめしたい。短編だがこちらもドラえもんがでない「オリ主えもん」も他にはない雰囲気がありおもしろい。
史上最強の弟子ケンイチSS 1作品
史上最凶最悪の弟子とその師匠
(作者:RYUZEN)
なにを間違ったか平凡な家庭に転生した日本人の少年が、拳魔邪神シルクァッド・ジュナザードの弟子になってしまったことからはじまる闇の物語。
平凡な少年が地獄にほうりこまれ、生きる意志と武術の才能を支えに少しずつ強くなっていくさまに泣ける。師匠が原作そのもので、作者さんの原作愛が伝わってくる。
めずらしい史上最強の弟子ケンイチの二次創作。さらに142話完結済みでなおさらレアな作品。闇側となった主人公がケンイチ達とか関わっていくさまににやにやしてしまう。
アイドルシンデレラマスターズSS 1作品
アイドルは労働者(仮)
(作者:かがたにつよし)
アイドルシンデレラマスターズの世界に転生した元ブラック企業の主人公が、ホワイト企業を求めて事務能力マックスで内定をとったらなぜかアイドルになっちゃった話。
アイマスはまったくわからないが、なぜかおもしろい。アイドルも労働者に変わりないとばかりに、クライアントの要望にこたえるアイドルが爆誕してる。原作のアイドルたちとの対比がうまく夢中で読んでしまった。
アイマスがわからなくても十分楽しめる。アイドルという偶像に求められるものはなんだろう。現実の世界ともリンクしているようでおもしろい! 全13話完結済み。
歴史系Web小説もある意味二次創作といえるのでは
厳密には二次創作とは言えないかもしれないが、歴史系Web小説も史実(原作)をもとにしてそこに新しい要素をいれて物語をつくるという意味では二次創作とにているものといえるのではないだろうか。
現に私は歴史系Web小説が大好きで、それを紹介する記事も書いてしまった。
縄文時代から明治時代まで15作品を紹介しているので、ぜひ読んでみてほしい。
二次創作と同じように原作(史実の歴史)に少しでもひかれるものがあれば、きっとはまってしまうはずだ。
エンタメ性が強いというところでは、縄文時代で死んで村を見守る神様になる「杜人記-ゆるゆる土着神-」や、戦国時代で将来豊臣秀吉に切腹を命じられる豊臣秀次に転生してしまった「腕白関白」がおもしろいので、ぜひ1話を読んでみてほしい。
小説家になろうで読めてよかったおすすめ作品はこちらの記事でまとめている。
読めてよかった!本当におもしろい小説家になろうおすすめ作品60選
ハーメルンおすすめ二次小説まとめ
この記事ではハーメルンに投稿されている二次創作のなかから、私が大好きな小説たちを紹介した。
- Game of Vampire(作者:のみみず)
- 私は誰でしょう?(作者:岩心)
- ダリアの歌わない魔法(作者:あんぬ)
- ショーン・ハーツと偉大なる創設者達(作者:junk)
- 夜に太陽なんて必要ない(作者:望月(もちづき))
- ハリー・ポッター -Harry Must Die-(作者:リョース)
- ハリー・ポッターと野望の少女(作者:ウルトラ長男)
- IF GOD 【佐為があのままネット碁を続けていたら…】 完(作者:鈴木_)
- 遥か高みへいる君へ(作者:鈴木_)
- 河原の囲碁(作者:西風 そら)
- ヘラクレスが現代日本倫理をインストールしたようです(作者:戦国マサラ)
- 剣狂い転生漫遊記(作者:アキ山)
- Fate/sn×銀英伝クロスを考えてみた(作者:白詰草)
- 【完結】紅き平和の使者 https://syosetu.org/novel/144384/(作者:雪化粧)
- 桃鳥姉の生存戦略(作者:柚木ニコ)
- 綺麗なまま死ねない(作者:シーシャ)
- とある海賊の奇妙な冒険記(作者:解放したPNTマン)
- モッ…モリアさんは最強なんやで(棒読み) (作者:ニルドアーニ四世)
- GATE:Modern Warfare(作者:ゼミル)
- GATE×オリ主 オリ国家(作者:オシドリ)
- 超・世紀王デク (作者:たあたん)
- 月香の狩人、アカデミアに立つ(作者:C.O.)
- チートそうでチートじゃない、けどあったら便利。そんな個性(作者:八神っち)
- 東方遺骸王(作者:ジェームズ・リッチマン)
- 明治の向こう(作者:畳廿畳)
- 始まりはなんとなくで(作者:jmwvw)
- 魔法科高校の幻想紡義−旧−(作者:空之風)
- 黒羽転生(作者:NANSAN)
- 仮面ライダークウガ-白の執行者-【完結】(作者:スパークリング)
- 漫画版ズ・メビオ・ダとほのぼの暮らす話(作者:erif tellab)
- そして世界は華ひらく(作者:中嶋リョク)
- どうしてこうなった?(作者:とんぱ)
- ちょっ、ブタくんに転生とか(作者:留年生)
- 三日月は流離う(作者:がんめんきょうき)
- 傲慢の秤(作者:初(はじめ))
- 卍解しないと席官にもなれないらしい。(作者:赤茄子 秋)
- 同情するならチャクラくれ(作者:あしたま )
- うちはシスイ憑依伝(作者:EKAWARI)
- 麻帆良で生きた人(作者:ARUM)
- 僕は麻帆良のぬらりひょん!(作者:Amber bird)
- セカンド スタート(作者:ぽぽぽ)
- ドラえもんのいないドラえもん ~超劇場版大戦 地球は何回危機に遭う~(作者:ルルイ)
- 史上最凶最悪の弟子とその師匠(作者)
- アイドルは労働者(仮)(作者:かがたにつよし)
二次創作の楽しみ方は自由だ。
暇つぶしでも、すきま時間の楽しみでも、自分の妄想を形にすることでもなんでもよい。それがいちばんの魅力だと感じる。おもしろい作品があればぜひ教えてほしい。
完結済み作品のみから探したい人はこちらからどうぞ
- 私は誰でしょう?(作者:岩心)
- ハリー・ポッターと野望の少女(作者:ウルトラ長男)
- IF GOD 【佐為があのままネット碁を続けていたら…】 完(作者:鈴木_)
- 遥か高みへいる君へ(作者:鈴木_)
- 河原の囲碁(作者:西風 そら)
- Fate/sn×銀英伝クロスを考えてみた(作者:白詰草)
- 【完結】紅き平和の使者 https://syosetu.org/novel/144384/(作者:雪化粧)
- 仮面ライダークウガ-白の執行者-【完結】(作者:スパークリング)
- 漫画版ズ・メビオ・ダとほのぼの暮らす話(作者:erif tellab)
- どうしてこうなった?(作者:とんぱ)
- うちはシスイ憑依伝(作者:EKAWARI)
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- セカンド スタート(作者:ぽぽぽ)
- ドラえもんのいないドラえもん ~超劇場版大戦 地球は何回危機に遭う~(作者:ルルイ)
- アイドルは労働者(仮)(作者:かがたにつよし)
アルのコマ投稿から選んだ思わずマンガが読みたくなるコマ9選私がWEB小説にはまった理由【+おすすめ小説】Kindle Unlimitedは小説家になろう書籍化・コミカライズ作品を読むのにかなりおすすめ!