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映画『境界線』レビュー!2人きりの世界でいきのびるSFドラマ

どうも、Wizです。Netflixで映画『境界線』(原題:BOKEH)を観ました。

あまり期待せずに観はじめたんですが、すばらしい雰囲気をあじわえました。ウルトラマリンのようなアイスランドの自然と、そこから相対されるかのような登場人物の心象が印象的な映画です。

これはもっと多くの人に目にしてもらいたいと思ったので、レビューを書いてみました。SF、ヒューマンドラマが好きな人はぜひどうぞ!

あらすじ

アイスランドに旅行にやってきたカップル。仲良く観光を楽しんでいたが、ある朝目覚めると町からすべての人が消えてしまっていた。2人きりの町でカップルはどのように生きていくのか。

ジャンル・基本情報

あらすじだけ読むとサスペンスの雰囲気があるかもしれませんが、実際はヒューマンドラマです。SFの感じもあるかも。

  • 2017年公開
  • 監督:ジェフリー・オースワイン、アンドリュー・サリヴァン
  • 出演:マイカ・モンロー(イット・フォロワーズ)、マット・オリアリー(スタング)

レビュー

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(IMDBより引用)

この映画ですばらしいのは、画面からただよう雰囲気です。

こうした世界に私たちだけ系のストーリーは、どこかチープな印象を感じることも多いです。しかし、この映画はそうではありませんでした。

日常の続きである非日常を、日常として収めていったかのような静かな映画です。人気を感じない平日の午前中に、ひっそりと観てみることをおすすめしたくなります。

アイスランドの自然

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(イメージ画像)

映画の中では、アイスランドの大地が数多くうつされます。

どれも美しく心にせまる風景ですが、世界にたった2人きりだと思うと、よけいに美しく、そして切なくなります。

ドキュメンタリーで自然の光景を目にするのとはまた違う体験でした。同じものでも、雰囲気によって感じ方が変わるのだと実感しました。

神の存在

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(イメージ画像)

2人はなぜこんな出来事が起きてしまったのか考えます。

そして一人は、神に見捨てられたのではないかと嘆くのです。私は特定の宗教を信じているわけではありませんが、こんな事態になったら八百万の神様に毎日お祈りするでしょう。

日ごろ神を信じていない私でさえそうです。キリスト教徒にとっては、自らの信仰が問われることになります。

なぜこんなことになったのか?

この問いが映画全体の雰囲気を印象深いものにしています。たとえ静かなシーンであっても、内面ではどうなのかと考えてしまいました。

キリスト教の知識がある人は、さまざまな作意を感じ取ることができるのではないでしょうか。

お約束

雰囲気と言っても、特別なものだけでできているわけではありません。

だれもいないスーパーにはいって商品をゲットするような、王道の展開もあります。不謹慎ですが一度はお金を気にすることなく、気に入った商品を全部カートに入れて華麗に出ていきたいものです。

写真を撮る

Rolleiflex camera.jpg

(By Juhanson – Image taken by Juhanson, CC 表示-継承 3.0, Link)

彼はカメラをもっています。そして機会あるごとに写真を撮ります。

そのシーンがいいんです。ひどく純粋で、2人きりの世界があらわになっているような雰囲気があります。

そしてローライフレックス2.8Fという往年の名機が、そのシーンをさらに奥深いものにしています。「かつてこれほど雰囲気のあるカメラはあっただろうか、いやない」と断言できるほどのカメラです。写真好きな人は心に響くものがあるのではないでしょうか。

印象に残ったシーン

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(© 1997-2017 Netflix,Inc 本編より引用)

印象に残ったのは、協会にたたずむ聖母像に語りかけるシーン。

相方は神の存在に肯定的ではなく、なぜこんなことになったかもわからずただ一人独白しています。構図の美しさもあって、体が引き込まれるような感覚がありました。

2人の監督

『境界線』はジェフリー・オースワインとアンドリュー・サリヴァンの2人の監督によってつくられました。どちらも今作が初監督です。

 

原題は『BOKEH』(ボケ)

焦点があっていないことをあらわす写真用語です。

人がいなくなった”世界”をありのままにうけいれているのか、その境界線があやふやになっているのではないか。なんだか哲学的なタイトルになっています。カメラが頻繁に登場するのも意味深ですね。

映画を観たあと、原題にこめられた意図を考えてみるのもおもしろそうです。

まとめ

思いがけずおもしろい映画に出会うことができました。興味があれば、ぜひどうぞ!

▶︎Netflixで境界線を観る

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